通話を録音しないAIセールスコールアシスタント
Bot不参加、音声非保存、文字起こし非保存は別物です。主要7ツールの公式プライバシーページ(2026年10月14日時点)を比較解説。
製品ページでよく見かける「通話を録音しません」というフレーズ。正直なところ、あいまいな表現のまま使われていることが少なくありません。 実際には、この言葉には3つの異なる約束が含まれています。「会議にBotを参加させない」「音声をサーバーに保存しない」、そして「データベースに文字起こしテキストを保持しない」の3点です。ツールによっては最初の2つを満たしていても3つ目を破っている場合があり、顧客企業のセキュリティチームはそのすべてを確認してきます。
当社はAxelizeを提供しているため、比較表にも掲載しています。各行の情報は2026年10月14日時点で各ベンダーの公式ページから取得したものであり、明記されていない項目は「未記載」としています。
主要7製品のデータ保存状況
| ツール | Botの参加 | 音声データ | 文字起こしテキスト |
|---|---|---|---|
| CallCopilot | なし | 文字起こし用にストリーミング後、破棄 | Mac内の暗号化されたローカルDBに保存 |
| SalesGhost | なし | 文字起こし用にストリーミング、「SalesGhost側には保存されない」 | 新規ワークスペースではデフォルトで90日間保持。通話単位で削除可能 |
| NextSay | なし | 「録音ファイルはローカルに保存される場合がある」、Cloud Syncが有効な場合はクラウドストレージにも保存 | Cloud Sync経由でアカウントに同期。「合理的に必要な期間」保持 |
| Zaasmi | なし | デバイス上で文字起こし | 「音声、文字起こし、要約は保存しない」 |
| ConversationPilot | なし | 短い音声クリップを自社サーバーおよびOpenAIの音声認識に送信後、破棄 | アカウントが存在する限り保存。通話単位で削除可能 |
| Convo | なし | ローカルで取得。メディアが保存されるかは記載なし、別ページには「すべての通話が録音・文字起こしされる」と記載 | 未記載 |
| Axelize | なし | 一切アクセスしない。Google Meetの字幕を読み取り | 話者名付きテキストをヘルシンキのサーバーに保存。ミーティングを削除すれば破棄。デフォルト保持期間は未提供 |
確認日: NextSayのプライバシーページは2026年9月10日更新、ConversationPilotのTrustページは2026年9月14日更新と記載。その他は更新日未記載。
Convoについては注記が必要です。アシスタント機能のページでは通話をローカルで取得すると記載され、メディアが保存されるかには触れていません。一方、セールスページには「すべての通話が録音・文字起こしされる」と記載されています。どちらもConvoの公式ページであり、プランごとの違いの可能性があるため、利用プランにどれが適用されるか確認することをおすすめします。
音声取得の3つの方式とそれぞれのトレードオフ
Botは参加者として会議に加わります。参加者リストに表示され、音声や動画を記録するため、顧客から敬遠されやすい方式です。Gongをはじめとする多くの議事録ツールがこの方式を採用しています。上記7つのツールはいずれもこの方式を避けているため、「Bot不参加」だけではツールの差別化にはなりません。
デスクトップアプリがPCの再生音を読み取り、文字起こしを行って音声を破棄するか、デバイス上で直接文字起こしを行います。あらゆる通話アプリで動作しますが、macOSやWindowsへのインストールが必要となるため、社内ITの承認が必要になる場合があり、一部のアプリはMac専用です。CallCopilot、SalesGhost、NextSay、Zaasmi、ConversationPilot、Convoがこの方式を採用しています。
ブラウザ拡張機能が、Web会議アプリにすでに表示されている字幕を読み取ります。音声や動画には一切触れませんが、字幕機能が提供されていて有効化されている通話でのみ動作し、文字起こしの精度はGoogleの字幕機能に依存します。AxelizeはGoogle Meet向けにこの方式を採用しています。ZoomおよびMicrosoft Teamsへの対応も予定しています。
「録音なし」でも、データは外部へ送信される
ここが製品ページでは見落とされがちなポイントです。次の発言を提案するには、どのツールもテキストや短い音声クリップをAIモデルに送信しなければなりません。
- CallCopilotは、音声を文字起こしプロバイダーにストリーミングし、短い文字起こし抜粋を提携先のAIプロバイダーに送信すると明記しています。
- ConversationPilotは、短い音声クリップをOpenAIの音声認識モデルに、文字起こしテキストをAnthropicに送信します。
- Zaasmiは、デバイス上で文字起こしを行い、テキストのみをAIに送信して即座に破棄すると説明しています。
- Axelizeは、有料APIプラン経由でGoogleのGeminiモデルに字幕テキストを送信します。当社のセキュリティページに明記されているとおり、このプランにおいてGoogleがデータを学習に利用することはありません。また、Axelizeもお客さまのコンテンツをモデル学習に利用しません。この方針は利用規約にも明記されています。
つまり「録音なし」とは音声ファイルが残らないという意味であり、データがPC内に完全に留まるという意味ではありません。そう主張するベンダーがある場合は、客観的な証拠を求める必要があります。
懸念点に応じたツールの選び方
- 顧客にBot参加を警戒されたくない: 上記7製品のいずれでも問題ありません。他の条件で比較してください。
- 顧客企業のセキュリティ部門が録音を禁止している: 音声が保存されないツールを選び、セキュリティページを精査してください。トップページの「録音なし」は規約の代わりにはなりません。
- いかなる文字起こしデータも残したくない: Zaasmiは一切保存しないと謳っています。CallCopilotはテキストをご自身のMac内に留めます。その他のツールはサーバー上に保存します。
- 一切のデータを端末外に出したくない: 提案を生成するモデルがクラウド上で稼働しているため、どのツールでも完全には満たせません。
Axelizeの仕様を明確にお伝えします。音声および動画は一切録音せず、それらのデータに触れることもありません。字幕テキストのみをヘルシンキのサーバーに保存し、ミーティングを削除するまで保持します(デフォルトの自動保持期間機能は現在開発中です)。SOC 2レポートは未取得です。もし顧客企業の法務担当者が「文字起こしテキストの保存も一切不可」と判断した場合は、当社は適しておらず、データを一切保存しないツールやローカル保存型のツールを選ぶべきです。
自社アカウント内でのテキスト文字起こし保存が認められており、Google Meetで商談を行っているなら、Axelizeは他のツールにはない価値を提供します。相手が話しているその瞬間に、あなたらしいトーンで「次の一言」を画面上に提示します。無料でお試しいただけ、クレジットカードの登録も不要です。何の武器も持たずにアドリブで挑み続けることこそが最大のコストです。無料トライアルにリスクはありません。
ベンダーに書面で確認すべき5つの質問
- 音声や動画は一時的であっても保存されるか、保存する場合は誰が保存するか?
- 文字起こしデータはどこに保存され、デフォルトの保持期間はどう設定されているか?
- 顧客の発言データはどのAIおよび文字起こしプロバイダーに送信されるか?
- いずれかのプランにおいて、データがモデル学習に利用されることはあるか?
- 通話単位での削除、および全データの一括削除は可能か?